「毎日残業しているのに、給与増えないな・・・」
とため息をついている、そこのあなた。
その残業は、ちゃんと毎月の給与に反映されていますか?
もし、毎日遅くまで働いているのに残業代がついていないとしたら、それは会社側の違法行為かもしれません。
そもそも「サービス残業」という言葉があること自体、おかしな事なのです。
あなたは、ボランティアで働いているわけではありません。
ちゃんと契約した上で、日々の生活のためにプライベートを犠牲にしてまで働いているのです。規定通り、働いた分をもらう権利があります。
そうは言っても、ちゃんと労働組合が機能している会社でない限り、なかなか言いにくいのが現状ですよね。
私もサービス残業当たり前の会社にいたので、言いづらい気持ちは凄く分かります。
そして、悩んでいるのは、あなただけではありません。
平気で見過ごされていますが、日本全体が抱える大きな社会問題でもあります。
現在、サービス残業の実態はどうなっているのか、そして対処方法を一緒に確認してみましょう。
※この記事は社会人歴10年の方に代筆していただきました。
残業をしている人はどのくらいいる?
経団連による「2017年労働時間等実態調査」結果によると、回答してくれた企業内だけでの話ですが、すごい事が分かりました。
残業していると答えた割合は、なんと約70%!!
そのうちの、45時間以下 83%
45時間超~60時間以下 10%
60時間超~80時間以下 6%
80時間超~100時間以下 0.9%
100時間以上 0.1%
100時間超えているのは異常です。もう過労死レベルです。
私の体感としては、45時間超えてきた時点で余裕がなくなってくると思います。
なぜなら、1日8時間労働に、さらに毎日2~3時間残業している事になります。
定時の時間にもよりますが、退社時間が夜の8時とか9時になるわけです。
そこから更に通勤時間もかかります。家についた頃にはクタクタのはずです。
プライベートの時間がなくなるのも納得ですね。
サービス残業をしている人の割合
こちらも衝撃的な結果がでました。
日本労働組合総連合会の「労働時間に関する調査」では、4割の人がサービス残業をせざるを得ない状況にある事が分かりました。
さらに、2017年に実施された日経ビジネスによる「働き方に関するアンケート」調査では、なんと6割がサービス残業していると言うのです。
あなたは、この結果をどう受け止めますか?
私としては、ひどいとしか言いようがありません。
私も家族経営の小さな会社で働いていた事がありますが、正直、残業代はほとんど出ませんでした。
労働組合もなく、それがその会社にとっての普通でしたので、私も文句が言えませんでしたね。
文句を言う時は、私自身が会社を辞める時だと思っていましたから。
それぐらい、残業代に対して経営陣に物申す事は勇気がいりました。
残業をしなくてはいけない原因
残業しなくてはいけない理由としては「1人当たりの業務量が多すぎる」事が原因です。
なかには、残業代欲しさに残っている人もいるかもしれません。
けれど、それはごく一部の人達だけで、大半は早く帰りたいのが普通です。
工夫して部署全体で協力すれば短縮できるものを、見た目や結果ばかりを追い求めるあまり、それが無駄であるとは気付かないものです。
あなたの会社の「当たり前」に、たまには疑いの目で見てみませんか?
・提出書類の形式をシンプルにする
・1人に集中している業務を部署全体で分担する
・プロジェクトと通常業務を掛け持ちしない
など、できる事はたくさんあるはずです。
そして、上司や経営陣は、あなたの疑問に耳を傾けるべきです。
私からすれば、会社全体のパフォーマンスを上げるためにも、常日頃から取り組まなければならない、重要な課題だと思っています。
なぜサービス残業が発生するのか
サービス残業がなぜ発生するのかと言いますと、それは「会社側の怠慢」としか言いようがありません。
もちろん、あなた自身が少しでも効率よく仕事をこなす工夫は必要です。
そういった工夫をしているのにも関わらず、残業しなければいけない状況に追い込まれ、さらには残業代が支払われないとなったら、それは立派な違法行為です。
そんな実態を無視して、「お前の工夫や努力が足りないからだ」と言ってくるようであれば、それは完全なブラック企業と言えるでしょう。
本来であれば、少しでも残業せずに済む環境づくりをすべきなのに、それをしない会社。
残業代を経費削減の対象とする会社が、まともなわけありません。
未払い残業代は請求できる!
サービス残業は、立派な違法行為です。
もちろん、未払い分は請求することは可能です。ただし、労働基準法に基づき過去2年以内の残業代に限ります。
そして、違法行為でありながら、これがなかなか大変なのです。
1. 会社側に直接申し出る
タイムカードや出勤簿などをコピーしておき、正しい残業代を計算してみましょう。
そして、給与明細の残業代からいくら足りないのか確認した上で、総務や上司に申し出てみて下さい。普通の会社であれば、足りない分を支払ってくれるはずです。
2. 労働基準監督署に相談してみる
会社側に言えるような空気ではない場合は、労働基準監督署に相談しましょう。
最初は電話でも構いません。あなたが集めた証拠をもとに、匿名希望で事実を伝えてみて下さい。
私の周りでも、実際に労働基準監督署が動いて支払われたケースもあります。
肩の力を抜いて、まずは気軽な気持ちで相談してみて下さい。
3. 弁護士に相談する
これは最終手段ですが、弁護士に相談して、会社に対して訴訟を起こします。
もちろん弁護士費用もかかりますし、大変労力がいる方法です。
会社に在籍中にできる事ではないので、退職後の方法と言えるでしょう。
この場合は、違法行為と認められればペナルティ分も支払われる事になります。
私自身、サービス残業をしてきた身としては、いくら不正と分かっていても請求する気にはなれませんでした。
家族経営の会社でしたが、業績が傾き始めるとサービス残業はおろか、毎月給与が変動するのは当たり前、ボーナスもなくなりました。
人がどんどん辞めていき、個々の負担は増える一方で、体調を崩す人が続出。私の同期も半年で辞めていきました。
しまいには、家族経営という事もあり、親族同士で争いが起こって流血事件にまで発展しました。
さすがに身の危険を感じ、私も辞めましたね。
辞めた後は、とにかく関わりたくありませんでした。
何をされるか分かりませんし、適当に理由をつけて退職届を提出、仲の良い総務の人に協力してもらって、どうにか逃げ出す事ができました。
そんな会社も、現実にあるのです。
そして、ひどい会社もあるけれど、それ以上に良い会社もたくさんあります。
全ての会社がひどいものであれば、そもそも日本の経済など成り立ちません。
私自身、ちゃんとした会社に入社して、どれだけ今まで異常だったのか痛感したぐらいですから。
だからこそ、残業代が払われない事が当たり前だと思わないで下さい。
そして、いつか「サービス残業」という言葉がなくなるその日まで、希望を捨てず、より良い職場環境を一緒に目指していきましょう。
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