私が新入社員の頃、先輩が笑顔で言っていました。

「仕事が趣味みたいなものだからさ」

私はこの言葉を聞いた時、「私も将来こうなるのだろうか」と心配したものです。

正社員となると、責任はもちろんの事、もれなく膨大な仕事量がセットで付いてきます。

私自身、定時に帰れた事などなく、むしろ体調不良で定時に帰る時は罪悪感すら覚えました。

あなたも、帰りにくい思いをした経験がありませんか?

残業が当たり前である会社の場合、社員がどんなに遅くまで仕事をしていても何も改善しようとしない場合が多いです。

それどころか、サービス残業をさせる会社もあります。

どう考えても異常な状態であるにも関わらず、何もしてくれない会社と上司。

どうして現状が変わらないのか、原因を探ってみましょう。

※この記事は社会人歴10年のプロライターさんに代筆していただきました。

上司は自分に関心がない?

残業をしていて「上司はこの状況をどう思っているのだろう?」と、私はふと気になりました。

「私に興味がないから何も言わないのかな?」とさえ思ったものです。

けれど、よくよく考えてみると、上司も残業をしています。

私の上司は特に、どの部署の上司よりも残業をしていました。

 

要するに、「興味がない」というより「残業して当たり前」という感覚なのです。

上司は、あなたより会社の在籍期間が長いはずです。

長いからこそ、無意識のうちに会社の社風が肌に染みついています。

上司がまだ若い社員だった頃も、きっと残業を強要されていたはずです。

自分がそういう経験をしてきたからこそ、部下も「残業して当然」という感覚が消えないのです。

 

けれど、自分が大変な思いをしてきたからこそ、部下に残業を強要しない上司もいます。

「昨日も帰り遅かったでしょ?今日は早く帰りなよ」と、違う部署の上司から言われた時は、「上司の考え方次第だな」と気付かされました。

役職が付くと仕事はさらに増える

役職が上がれば責任が増えるのは当然ですが、責任が増えた分、帰りが遅くなる場合が多いです。

 

私の職場で、若くして実績を上げて、驚くべき早さで昇進した先輩がいました。

今までは、自分の仕事の事だけ考えていればよかったのですが、部下をもつと違います。

部下が何か問題を起こせば顧客へ頭を下げ、さらに上の役職からも注意され、部下との時間を割きすぎると、今度は自分の仕事が遅れます。

慣れない部下の扱い、責任の板挟み状態で、先輩の帰りはどんどん遅くなっていきました。

最終的には、元々明るく社交的な先輩だったのに、口数も減り、周囲が心配するほど元気がなくなっていきました。

元気がなくなると同時に、先輩が担当している部署の実績もガタ落ちです。

ついには、降格して他の部署へと異動していったのです。

 

会社全体が残業を黙認している場合、役職が付くとさらに大変です。

「残業時間が多いのは、君の仕事のやり方が悪いんじゃないか?」と、責任転嫁しようとします。

上司の帰りが早くなれば、自然と部下の帰りも早くなるはずです。

役職がついた人ほど、部下が希望を持てるような働き方をして欲しいものですよね。

サービス残業が当たり前になる

残業して、その分しっかりと手当がつくのなら良いですが、サービス残業となると更に精神的に追い込まれていきます。

私自身、働いても働いても給与が増えない時は、将来が不安になりました。

「この会社にいたらダメだ」と、転職活動をしましたね。

なかには、ちゃんと残業代が払われる会社の場合は、あえて残って仕事をしている人もいますが、ほとんどは早く帰りたい人が多いはずです。

 

また、会社によっては残業時間が多いと注意してくる事もあります。

「部署全体や上司の努力によって、もっと残業代は減らせるはずだ」と、上層部から指摘されるわけです。

そのため、怒られないようにと、自主的に残業時間を減らして勤務表を提出している人もいました。

確かに、工夫すれば更に効率よく仕事はできるようになるかもしれません。

けれど、個人でできる事には限界があります。

 

部署内で助け合えるような関係であったり、元々の仕事量に問題がある場合が多いはずです。

数字だけを見て指摘するのも良いですが、実際に社員の声に耳を傾けるのが理想的とは言えるのではないでしょうか。

新入社員が定着しない

これは、会社にとっては死活問題ですよね。

大変そうな先輩の姿を見ていると、私のように将来に不安を感じる新入社員も多いはずです。

さらに新入社員が定着しない事で、先輩社員の負担は減る事がなく、さらに時間に追われてしまうという悪循環になります。

 

新入社員はただでさえ、初めての仕事、新たな人間関係、慣れない生活リズムなど、ストレスを感じる状況が続くので、そこへ更に膨大な仕事量を渡されたらパニックになってしまいます。

私の同僚でも、覚えなくてはいけない事が多すぎて脳がショートしたのか、お昼休憩に喋りもせずぼーっとしている子もいましたからね。

 

そして、脳内で仕事が処理できないまま、毎日遅い時間まで働いていると、少しずつ精神的にも追い込まれていきます。

でも、先輩も新人の頃はそれが当たり前だったので、自分の仕事量を減らすのに必死で新人の異変にも気付かないのです。

 

だからこそ、突然欠勤が続くような新人であったとしても「あいつは根性がない」と片付けるのではなく、そもそも新人にできる仕事量だったのか、疑問に持ってあげると良いのではないでしょうか。

何も言わないといいように使われてしまう

不思議なもので、仕事ができる人ほど頼られ、仕事量が増えて帰りが遅くなっていきます。

優しくて責任感があるなら尚更でしょう。

あなたにも心当たりありませんか?

 

そして、笑顔で仕事を引き受けていると、相手は「まだ平気そうだな」と、さらに気軽に頼んでくるようになります。

そうならないためにも、厳しい状況である場合は、ハッキリと意思表示するようにしましょう。

 

私の先輩は、毎日タイムスケジュールを作っていました。

だから急な仕事であったとしても、タイムスケジュールを見せて「その仕事は2時間ほどかかってしまうので対応できません」と、明確な時間を伝えた上で断っていました。

なぜなら、厳しい上司の場合は「これぐらい出来るだろう?」と押し付けてくる場合もあるので、先輩ならではの対処法だったのでしょう。

 

ここまでする必要はありませんが、あまりにも長い残業時間は精神的にも肉体的にも辛くなってきます。その状況で無理をし続けると、体を壊す危険性も出てきます。

そうなってしまったら、あなたにとっても、会社側にとっても大きなダメージとなるはずです。

最初は言いづらいかもしれませんが、そこは勇気をもって意思表示するようにしてみて下さい。

もし一人で言いづらい場合は、先輩社員も巻き込んで上司に相談してみるようにしましょう。

 

当たり前のように毎日繰り返される残業。

日本では、残業時間が長い割には生産性が低いというデータもあります。

残業がある事によって給料が潤う人もいるかもしれませんが、仕事とプライベートの境目がなくなるのは、あなたにとって良い状況とは言えないはずです。

ぜひ、仕事ができて帰りが早い先輩を見習って、今のあなたのできる事から実践してみて下さいね。