「早く働かなきゃ」
うつ病の症状が和らいできた頃、自分の現状に危機感を抱き焦り始めるものです。
私自身も経験者なので、その気持ちはよく理解できますが、できるだけ焦らないようにしましょう。
むしろ、焦ってどうにか就職できたとしても、再発して働けない状態になってしまったら、あなた自身も余計に辛い思いをしてしまいます。
なにより「しなければいけない」という概念を、まず捨てましょう。
あなたには今、支えてくれる家族はいますか?
理解してくれる友人や知人はいますか?
もし一人でも誰か側にいて励ましてくれるなら、あなたはもう大丈夫です。
「なにが大丈夫なの?」と思うかもしれませんが、うつ病から再就職するためには、周囲の支えは必要不可欠だからです。
あなたの勇気ある1歩を無駄にしないためにも、社会復帰をした自分自身をイメージしながら、再就職のポイントを確認してみましょう。

※この記事は社会人歴10年のプロライターさんに代筆していただきました。

うつ病になっても再就職は十分可能

うつ病になると、体が鉛のように重くなり、未来に希望を描けなくなります。
意味もなく涙が流れ、何も興味がなくなり、今までの事ができない自分を責め続けます。
そんな状態だからこそ「私はもうだめだ」と未来を諦め、最悪の場合、自分の命を投げ捨ててしまう事もあるのです。

でも、そんな状態であっても、時間の経過と周囲の励まし、そしてあなたの考え方を変えていけば再就職は十分可能です。
なぜなら、あなたは元々仕事ができる人だからです。

どんな病気でも無理をすると、本来の力を発揮できない事はありますよね。
うつ病も同じです。
病気を乗り越え、さらに一回り成長したあなたなら、元気を取り戻せばいくらでもやり直す事は可能です。
だからこそ、焦らずじっくり今の自分に無理なくできる事から始めてみましょう。

うつ病は寛解状態になっているか

うつ病は、症状が良くなった状態を「完治」と言うのではなく「寛解」と表現します。
なぜなら、うつ病はちょっとしたキッカケで再発しやすい病気であるため、完全に治ったかどうかの判断が難しいからです。なので、症状が和らぎ、自分で感情をコントールできるようになった状態を寛解と言って、そうなれば働ける状態と言えるでしょう。

私も、薬を飲み始めたばかりの時に、睡眠導入剤や抗うつ薬のおかげで眠る事ができ、体力も戻ってきたので「まずは社会復帰しなきゃ」とハローワークに行きました。
ところが、以前までは積極的に応募できていたのに、人がたくさんいる中でめまいがして、心臓がバクバクいって手の震えが止まりませんでした。相談窓口でも、人の顔を見て話せず挙動不審です。

今考えれば、就職活動するのが早すぎたのだと思います。
あなたも自己判断せず、医者の了承を得た上で、家族や友人に相談しながら就職活動を進めるようにしてみて下さい。

退職から再就職までは短い方がいい?

一般的には、再就職までの期間が短いに越した事はありません。
ですが、それは健康な状態での話です。

そもそも、あなたもうつ病になりたくてなったわけではないはずです。
無理をしすぎたからこそ働ける状態でなくなり、休みが必要になったのです。
そこでまた無理に働き始めたら、余計に病状が悪化してしまう危険性があります。
なにより「就職」を目標とするよりは、今度は長く働けるように「自分は何をしたいか」を理解した上で転職活動する方が理想的です。

職場環境、人間関係、仕事量、仕事の内容など、何に対してストレスに感じるかは人それぞれです。
あなたをそこまで追い込んだ要因は何なのか突き止めた上で、素直な気持ちを確認すれば、おのずとやりたい事も浮かんできませんか?
やりたい事のためなら、また気持ちが落ち込んだとしても意外と踏ん張れるものです。

そして、もし「やっぱり無理!」と思ったら、就職活動を少しお休みしたって良いのです。
あなたの心が元気になれる場所を、諦めず探してみて下さい。

アルバイトから始めるのもよし

私も含め、うつ病の経験者誰もが最初に思う事かもしれませんが、最初から一気に「迷惑かけた分を取り戻すぞ!」と意気込まない方が良いでしょう。
まずは、短期間のパートや日払いのアルバイトなど、期間が決められた仕事から挑戦して体と心を慣らしておく事をお勧めします。

「この歳だから、やっぱり安定のために正社員になりたい」
「派遣とかではなく、正規雇用が良い」
「いまさら、この歳でアルバイトなんて恥ずかしい」

そんな事はありません!
うつ病経験者は、苦しい思いをしてきた分、人に優しく相手に共感する能力が高いです。
それは大きな強みであり、一緒に働く人もそういう人の方が働きやすいはずです。
どんな仕事であっても、今の自分に自信を持ちましょう。
そして今まで助けてくれた人に感謝しながら、働く喜びを取り戻してみて下さい。

雇用保険を活用して転職活動を進めよう

「それでも、やっぱりお金の事が心配・・・」
その心配を少しでも軽くするためにも、ハローワークで失業手当の申請を済ませておきましょう。

自己都合での退職の場合、本来であれば3ヶ月経過したのち受給できるようになりますが、うつ病のような病気やケガで仕方なく退職した場合は、その月から失業手当がもらえます。
ただし、失業手当は働ける状態にある人で、就職活動できる人が対象の手当です。
だからこそ、ハローワークで申請したあとは、定期的に就職活動したかどうかの確認もあります。

うつ病が寛解状態でない場合に、それを隠して就職活動するのは大変です。
それは私も身をもって経験しましたし、面接まで行けたとしても、そのあと3日間も寝込み生活に支障が出てしまいました。

じっくり療養生活を送るためにも、退職前に「傷病手当金」の申請をしておきましょう。
傷病手当金は、1年以上働いている人であれば、月々の給与の約70%が最長で1年6ヶ月もらえる制度です。これは健康保険組合から受給できる手当です。
会社で加入していた健康保険を任意継続し、退職前に会社側に手続きしてもらえるようにお願いをしておきましょう。

ちなみに、失業手当と傷病手当金は両方もらう事はできません。
けれど、金額的には傷病手当金の方が多いはずなので、あなたが働ける状態でない場合は申請しておくと安心ですよ。

また、うつ病で障害者手帳を取得している場合は、就職困難者の扱いになり、失業手当が最大1年までもらえるようになります。
失業手当もすぐにもらえ、障害者専用の窓口も利用でき、就職活動の報告も4週間に1回で済みます。
障害者手帳を取得している場合は、就職活動する際に忘れずハローワークに申し出ておきましょう。

うつ病からの就職活動はとても不安ですよね。
それでも、上手くうつ病と付き合って元気に働いている人もたくさんいます。
まずは、今の療養期間をマイナスだとは思わずに、今までたくさん我慢してきたあなたの心に耳を傾けてあげて下さい。
そして、また心から笑えるその日まで、時には周囲に手助けしてもらいながら、無理をせずに働ける方法をじっくり考えてみて下さいね。