度々ニュースで見かける過労死問題。

その多くは、残業が200時間を超えています。

その残業時間に耐え続けた人は、心身共に疲弊し体を壊すか、悲しい事に、精神的に追い詰められ自ら死を選んでしまう事もあるのです。

 

私からすれば「ブラック確定」の会社であっても、追い詰められている人は気付きません。

なぜなら、それが当たり前の日常であり、周囲も当然だと思っているので、家族や友人が止めない限り、本人は働き続けるからです。

 

あなたがお得だと手に取っている商品も、便利だと使っているサービスも、もしかしたら誰かが長時間労働の末に生み出された商品やサービスかもしれません。

他人事ではない、意外と身近な長時間労働。

残業が200時間を超えてしまうとどうなるのか見てみましょう。

※この記事は社会人歴10年のプロライターさんに代筆していただきました。

 

月に残業200時間越えの生活はこうなる

実際に100時間を超えたあたりで労災認定レベルですから、体調はすでにおかしくなってきます。

1度風邪を引いてしまえば、休む事もできないのでなかなか治らず、更に悪化。

ご飯もまともに食べる時間がなく、精神面でも余裕がなくなり、感情の起伏が激しくなります。

そんな中で上司に叱責されようものなら、仕事に大半の時間を費やしている状態なので、自分自身を否定されたような感覚になり、より追い詰められていきます。

 

 

それがさらに200時間を超えるとどうでしょう。

日付が変わるまで毎日働き、休日出勤は当たり前。2週間休みがないのは普通でしょう。

そして、毎日夜中の12時過ぎまで働いているわけですから、睡眠時間も確保できず、家に帰れば玄関でそのまま倒れるように寝てしまうかもしれません。

自分の身なりや健康なんて二の次で、頭の中は仕事でいっぱいです。

自分でも気付かないうちに、職場の空気に洗脳されたような状態になり「できない私がいけないんだ」と考えてしまいます。

「自分にはこの仕事しかない」と錯覚してしまうのです。

 

体験した事がなくても、このような状況を想像しただけでもゾッとしてしまいますよね。

それでも、残念ながら会社側が改善しようとしなければ、犠牲者が減る事はないのです。

残業時間の上限と基準

「そんなに働かせて、違法ではないの?」と疑問に思いますよね。

確かに、労働基準法での法定労働時間は1日8時間、週40時間までと決まっています。

けれど、36協定が締結されれば、残業する事が認められるのです。

 

 

36(サブロク)協定は、あなたも耳にした事があると思いますが、正しくは「時間外・休日労働に関する協定届」の事を言います。

労働基準法36条が規準にされている事から、36協定と呼ばれるようになりました。

 

 

法律で決められた時間以上に働かせる場合は、あらかじめ労働者と会社側で書面による協定をした上で、労働基準監督署に毎年届出する必要があります。

これは社員がたった1人であっても、残業させる場合は提出しなければいけません。

もちろん、この協定届を提出せずに時間外に働かせた場合は違反になります。

 

 

「それなら、協定届を出せば、いくら残業させても問題ないの?」と考えますよね。

実は届出したからと言って、いくらでも残業していいわけではありません。

 

通常勤務の人の場合は1ヶ月で45時間、1年で360時間と決められています。

ただし、繁忙期などに特例として労使の協議をした上で、6回を限度として1ヶ月60時間まで、1年420時間まで延長する事ができます。

この延長は、1年のうち6ヶ月までと決められています。

 

「それなら、私の会社は違法だ!」と言いたくなりますが、実は適用されない仕事があります。

・工作物の建築等の事業
・自動車の運転の業務(ドライバー)
・新技術、新商品の開発
・厚生労働省労働基準局長が指定する事業または業務

 

なんだか逃げ道を作るような特例ですよね。

なにより、労働基準監督署に届出していない会社も多いので、「労使協定を締結していないのに残業させる事は違法」と覚えておくといいですよ。

引止めをされずに会社を辞めるには

長時間労働を強要している会社の場合は、あなたが「辞めたい」と言っても、なかなか辞めさせてくれない場合があります。

でも、そこは断固として意思を貫きましょう。

上司にも色々と脅されるかもしれません。

それでも、今まで通り長時間労働を続けていると、あなたの心と体もいつか壊れてしまいます。

そうなる前に、まだ転職できる余力があるうちに、勇気を持って上司に伝えましょう。

 

・新たな分野にチャレンジしたい
・違う環境で能力を高めたい
・家業を継ぐことになった
・家族を介護しなければならなくなった
・病気の治療に専念したい

 

もしかしたら、上司は「職場環境を改善するから」「給料をアップするから」と、甘い誘惑で引き止めてくるかもしれません。

だからこそ、職場環境や現在のハードな仕事内容を理由に「退職したい」と意思表示するのではなく、建前で構いませんので、断りにくそうな理由を伝えるようにしましょう。

 

意思表示は遅くとも退職予定日1ヶ月前が理想的ですが、できるだけ早めに相談して退職届を提出するようにして下さいね。

再就職するまでの退職後の手続き一覧

無事、退職できた場合は様々な手続きが必要になります。

まずは、退職後に下記の書類が会社から送られてくるはずです。

 

・離職票
・雇用保険被保険者証
・年金手帳
・源泉徴収票

 

源泉徴収票は、新しい勤め先に提出するものです。

年内に就職しない場合は、あなたが確定申告する際に必要な書類になります。

 

 

まずは失業保険の手続きです。

・離職票
・雇用保険被保険者証

上記の書類を持って、ハローワークで失業手当の手続きをします。

 

ほかにも、身分証明書、印鑑、証明写真2枚、失業手当の振込先となる通帳を一緒に持っていくと1度で手続きが済みます。

あとは、ハローワークの人の指示に従って書類を書いて下さい。

 

 

次に、国民健康保険の手続きです。

こちらは退職して20日以内であれば、以前の会社の健康保険を継続する事も可能です。

そうすれば保険料が安く済む場合もあるので、退職前に会社に手続き方法を確認しておくと良いでしょう。

国民健康保険の加入は、あなたの町の役所の健康保険窓口で手続きを行います。

大抵は身分証明書と印鑑があれば、あとは渡された書類に記入するだけのはずですが、場合によっては「健康保険資格喪失証明書」を提出するように言われます。

この書類は会社で作成してもらう必要があります。

不安な場合は、事前に市役所に確認しておくと良いですよ。

 

 

最後に国民年金の手続きです。

こちらも役所で一緒に手続きできます。

・年金手帳
・離職票もしくは退職証明書
・身分証明書
・印鑑

を持っていきましょう。

 

退職証明書は、会社で作成してもらう書類です。

不安であれば、退職時に事前にもらっておくようにしましょう。

あとは、役所の人の指示に従って手続きすれば大丈夫です。

 

 

ほかにも、家族の扶養に入る事もできます。

そういった場合は、ご家族の勤務先の会社に確認しておきましょう。

あなたにとって大事な手続きです。

会社から必要書類が届いたら、できるだけ早めに手続きをしておきましょう。

未払いの残業代は払ってもらえる?

結論から言いますと、大変ではありますが残業代は払ってもらえます。

在籍中ですと、なかなか言い出しにくいですが、退職したあとであれば言いやすくなるはずです。

まずは、直接会社に交渉してみましょう。

 

 

交渉しても相手にしてくれない場合もありますよね。

そういう場合は、証拠となるタイムカードや勤務表、就業規則などを在籍中に集めておきましょう。

そして、本来であればいくら支払われるはずだったのか、あなた自身で計算してみて下さい。

さらに、退職後にその証拠を持って、会社を管轄している労働基準監督署に相談してみましょう。

それだけ働いて支払われないのは大変悪質なので、監督署が動いてくれる可能性が大きいです。

 

 

1番確実なのは弁護士に依頼する事でしょうが、これは費用がかかる上に大変な作業になります。

最終手段として、相談するようにしましょう。

 

ちなみに、残業代請求の時効は2年です。

この期間を過ぎてしまうと、未払い分が請求できなくなってしまいます。

長時間労働のあとで大変かもしれませんが、諦めず1度は会社に請求してみて下さい。

さいごに

想像を絶する残業200時間超え。

私からすれば、なぜ会社側が改善しようとしないのか不思議です。

そのせいか、なくならない過労死の深刻な問題を受けて、実は法改正がありました。

残業時間の上限は「月100時間未満」と決められたのです。

これは2019年4月から適用予定です。

残業100時間でも多いですが、これで少しでも改善されるなら良いですよね。

 

 

あなたも、もし長時間残業を強要する会社にいるならば、まずは逃げて下さい。

長い人生です。

お金より大事な物があります。

あなたの心と体が壊れてしまってからでは遅いのです。

健康で楽しく働くのが、本来の社会人のあるべき姿のはずです。

ぜひ、あなたの肩の荷が楽になる選択をしてみて下さいね。