『人事異動』は人によっては嬉しく、またはその反対にも感じますよね。
担当部署や勤務地、役職等が自分の思ったように変わればとても喜ばしいことですが、思ってもみないタイミングで思ってもみない所へ…ということも。
「この仕事がしたい」と思って入ったのに、新しい勤務先が片道何時間もかかる所、仕事内容が全く違う所に変わってしまうとなると「仕事自体を辞めてしまおうか…」と悩んでしまう人もいるそうです。
仕事のモチベーションも左右する『人事異動』ですが、異動が頻繁にある人、そうでない人と違いはあるのでしょうか。
人事異動には様々な種類がある
『人事異動』と一口に言っても企業内・企業間の異動があります。
『人事異動』の時期にはいつもドキドキしますよね。
もし自宅から遠い支店へ配属された際には毎日の通勤のことを考えら…ため息が出てしまいますよね。
また、最初に配属された部署は自分に合っていないと思っていたので違う内容の仕事がしたいと思うこともあるでしょう。
自分の望んだ形で異動できると一番良いですね。
・転勤
一般的には、勤務地が変わる異動のことで、引っ越しが必要になるほどの場所に代わることもあります。
しかし、仕事内容はそのまま、担当は変わらないことも。但し、引っ越さなければならない距離となると辞めることを考える人もいるそうです。
特に家族と離れるとなると色々と手続等大変なことも多いので少し考えてしまうかもしれません。
・出向
所属は元の企業のままで、子会社やグループ会社で仕事をすることをいいます。
出向先の業務を行うことになるので、仕事の内容自体が変わってしまうこともあります。
出向にも種類があり、「若手社員に勉強の機会を与えるため」「人事戦略のため」「出向先の業績向上のため」等理由があります。
・部署移動
今の部署から別の部署へ変わることです。例えば『総務部』から『営業部』にかわる等です。
「移動先の部署の欠員補助」「本人により合った部署への異動」「強い要望による引き抜き」という理由があるそうです。
・転籍
所属している企業との契約を解除し、転籍先の企業と新たに契約を結ぶことです。
・昇格、昇進
会社での地位や、立場が上がること。課長から部長へ変わることなどを言います。
・降格、降任
会社での地位や立場が下がること。
ご覧いただいたように『人事異動』と言っても内容は様々で、いずれも、会社や組織の命令で勤務地や仕事内容が大きく変わることもあれば、そうでない場合もあります。
人事異動はどのような過程があって決まるのか
そもそもどういった理由から『人事異動』は起こるのでしょうか。
・社員の成長、人材の育成のため
これまでとは異なる環境で新しいスキルをみにつけたり、新しい人脈を広げる事ができます。
また、業務の底上げをするために他部署から優秀な人材を異動させる場合もあります。
・適材適所への人員配置
配属された部署でなかなか自分の力を発揮できていない人でも、別の部署でなら活躍できる場合があります。
そういった場合は、本人にとっても企業にとってもベストの選択です。
・マンネリ化の防止
新しい職場で働き始め徐々に仕事内容にも環境にも慣れてくると、気が緩んできて手を抜いてしまう可能性があります。
それを防ぐためにも定期的に人事異動を行うという理由もあります。
こういった理由から『人事異動』は決まります。
また、『人事異動』が決定し本人に伝えられ、発表される前に『内示』があります。
『内示』は正式な事例が出る前に本人に伝えることを言います。
会社によっては、それよりも前に本人に対して『打診』したり、異動の関係で大きな動きがある人には『内示』よりも前に知らせる『内々示』という動きもあります。
ただし、これらは『辞令』の前の流れなので、情報が洩れてはいけません。
その後の『辞令』は決定事項、業務命令なので基本的には拒否することができません。
人事異動を拒否することはできるの?
せっかく今まで築いてきたお客様からの信頼、知識や経験。
それがいきなり無くなってしまうかもしれない『人事異動』。
もし、異動が納得いかない場合会社に対して拒否することは可能なのでしょうか。
就業規則に配置転換や転勤を命じる旨が記載されていた場合、基本的には拒否することはできません。
正社員は一般的に長期的な雇用を前提にしているので、正当な理由がない限り人事異動は業務命令になります。も
し、拒否する場合は『懲戒解雇』される可能性もあるそうです。
但し、人事異動が拒否できるケースもあります。
・雇用契約書の内容とことなる
入社した際に交わした契約書に『限定した勤務地、職種』での採用であることがあるのにそれ以外への異動が命じられた場合は契約違反になるので拒否することが可能です。
・やむを得ない事情がある
本人や家族への負担が大きすぎる場合は拒否できる場合があります。
例えば、親の介護が必要である、子供が専門的な治療を行っているので転院が不可能な場合などです。
・会社側の権利の乱用
業務上必要がないはずなのに異動させられたり、いやがらせ行為が明らかな場合は拒否できる場合があります。
しかし、不当性を立証できなければならない為なかなか難しいかもしれません。
『人事異動』は命じられる本人にとっては職場環境や職務内容・勤務地・通勤経路が変更になる等、デメリットがあります。
しかし、異動がもし多い人がいたら『出世候補』として期待されているのかもしれません。
様々な部署を経験させていき、異動とともに昇格する場合もあるそうです。
但し、会社によっては1つの部署で1つのことのスペシャリストとして育てるという所もある為必ずしもそうとは言えません。
どうしても『異動させられる』と考えるとマイナスに考えがちですが、その内容によっては自分にとっても会社にとってもプラスになるかもしれません。
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